法話

プロの祈り

高野山に住んでいる方から教えてもらったのですが、山内に人力車が走っているそうです。もっとも、観光地で見かける大手企業の運営ではなく、山内でゲストハウスをやっている方が企画したもののようです。 人力車と言えば、知り合いのお坊さんからこんな話を…

来世に持っていけるもの

ある高名な行者さんの本の中にこんな話が載っていました。 ある方にこのようなことをいわれたそうです。 「前世では、お釈迦様の元で一緒でしたね。お久しぶりです。」 さすがに、困ってこう答えられたそうです。 「申し訳ありませんが、そんなに昔のことは…

そうだ、仏像に会いに行こう

毎年、同じ話で申し訳ないです。 今日3月21日は宗祖弘法大師が入定された日です。西暦で言うと835年のことです。 「弘法大師が亡くなられたのはいつですか?」という問題が出されたら、よく勉強されている方なら「承和2年3月21日です!」と元号で…

数字に踊らされないように

いつもお寺を手伝ってくださっている方が、高野山での勉強を終えて帰ってこられました。 無事に、修士課程を終えられ、また学部の科目でも優秀な成績を収められたようです。宗門大学独特の科目である御詠歌も高得点だったそうですので、いずれ檀信徒の方々と…

真言宗の「公約」

たまに檀家さん以外の方からの葬儀を依頼されることがあります。 大体の場合、真言宗を指定された結果であるのですが、なかには「宗派は問いません」であったり、「○○宗か真言宗か」しまいには「神道か真言宗か」という依頼の結果だったりします。 そういう…

権(ごん)と実(じつ)

先日、知り合いの僧侶の方から無事に「教師検定試験」に合格したことを報告してくださいました。 「教師」とは、平たく言えば住職資格のようなものです。 四度加行を終えて、伝法灌頂を受けると「阿闍梨」となります。専修学院や真別所のような集団加行の道…

一番美しい姿

高野山には専門の「案内人」さんという方たちがおられます。ガイドさんといった方が分かりやすいかもしれません。 自分のいた塔頭の墓所が、中の橋駐車場から奥之院へと向かう途上にありました。 ですから、そこで掃除をしていると、色々な案内人さんの案内…

生かされているということ

あけましておめでとうございます。 本年もよろしくお願いいたします。 今日も沢山の方が星まつり護摩供にご参加下さり、ありがとうございます。 今日は、星まつりについてごくごく基本的なことをお話したいと思います。 まず、前をご覧ください(写真はFB参照…

生かせいのち ~S師を偲びつつ

松が明けましたので、こんな話をすることを許してください。 昨年末より、恩人という方を立て続けに見送ることになっています。 つい先日も、非常にお世話になった兄弟子の通夜に行ってまいりました。 西山寺での葬儀で、脇僧をお願いしたことも何回かありま…

みんな仏の子

今日も沢山の方がご参加くださりありがとうございます。 今日はどうか分かりませんが、どこに座るか悩む場面は多いのではないでしょうか。 昔ながらの上座、下座を意識してなかなか自由に座れない。誰がどこに座るかを確認して、そこを「基準点」にして席を…

手放す訓練

ちょうど境内の紅葉が綺麗なときに来ていただきました。となりのお家のイチョウも綺麗だったと思います。 どちらも秋の彩りですが、仕組みが少し違うそうです。 モミジやカエデが赤くなるのは、気温の低下に伴い、葉っぱの中にアントシアニンという赤い色素…

最高の印(いん)

真言宗の特徴といえば、名前が示す通り真言を唱えることです。実は、密教を含む天台宗はもちろんですが、禅宗でも真言や陀羅尼を唱えていますので、真言を「重要視している」といった方が正しいかもしれません。 さらには、手でいろいろな印を結ぶことも真言…

仏罰はあたる?あたらない?

大学時代、日本法制史ゼミに所属していました。 内容は、江戸時代の刑罰制度で、当時の刑法に当たる「公事方御定書」と、裁判記録に当たる「御仕置例類集」がテーマでした。テレビでお馴染みの「鬼平」こと長谷川平蔵宣以の裁判記録なども目にしました。 当…

結縁灌頂

いままで、何回か「灌頂」について書いたことがありますが、いま一度、簡単に書いておきます。 灌頂とは、文字通り「頭頂」に水を「灌(そそ)」ぎかける儀式です。 もともとは、インドで国王の即位式などで四大海の水を頭に注ぎかける儀式があったものを、仏…

信仰上の浮気 ダメ ゼッタイ

この寺の住職になるにあたり、本山にて「法流稟承(ほうりゅうほんじょう)」「親授式」というものを受けました。 その際に、座主様からこのような内容のお言葉をいただきました。 「皆さん、色々なことを学んできたと思います。しかし、これからは高野山真言…

不邪見

今回で十善戒の話も最終回です。 不邪見についてです。文字通り、邪(よこしま)な考えを持たないということです。 邪な考えとは、簡単には、仏教の真理に反する考えのことです。 よく言われるのは、「断見」と「常見」にとらわれないことだとされます。 まず…

みんな やればできる子

前回、IQに関するお話をしました。退屈かもしれませんが、今回も似たような話です。 自分が、自分の知能指数をはじめて知ったのは小学校三年生のときです。 とある学習塾の入塾試験の際に測定されました。試験の後、塾長なのか、校長を退職して「天下り」と…

NO 懺悔(さんげ) NO 仏教

先日、お寺にいらした方が、普段家で拝んでいる勤行の次第を見せて、「これでいいですか?」と尋ねられました。 色々な経を組み合わせてあり、熱心な方だと思いましたが、気になったことがありましたのでこう申し上げました。 「懺悔文を唱えてから色々な経…

不瞋恚

十善戒も終盤です。今日は9番目の戒である不瞋恚(ふしんに)です。 「瞋」も「恚」も「いかり」を意味する文字です。要は、怒らないという戒です。 人間である以上、頭にくる感情が無いなんていうのは、動物としてむしろ不自然かもしれません。そこで、人に…

お供え 

最近、葬儀が簡略化されてきたのは、色々なところで話されているとおりです。 葬儀の作法の中で、供物を加持する場面があるのですが、いざ印を結んで加持をしようとすると、祭壇には一切供物が上がっていなくて、一瞬フリーズしたなんていうこともあります。…

三力偈

今日は胡瓜加持にご参加くださりありがとうございました。 加持とは、一般的には仏様の加護のことです。 真言宗的には、お大師様が「仏日の影」と表現されているように、仏の慈悲が衆生に向けられることを「加」、それを衆生が信心によって受けることを「持…

記念得度?冥途の土産?

先日、度牒についてお話ししましたが、それと関係のあるお話です。 以前に、社会人向けに仏教を教える塾のお手伝いをしたことがあります。 学問として仏教を学ぶという面だけではなく、実践的な部分も体験してもらい、やる気のある方は得度を目指すといった…

施餓鬼の表白 

法要の中で、僧侶が仰々しく宣言書のようなものを読み上げるのに気付いている方もいらっしゃるでしょう。 「表白」(高野山では濁らずに「ひょうひゃく」と読みます)とか、「諷誦文」というものです。 法要の際に、本尊様に対して法要の旨趣を啓白するもので…

施餓鬼2021

本日は施餓鬼法要にお参り下さり、ありがとうございます。 いつもよく分からないお経(理趣経なんですけど)を聞かされてばかりでたまらないと思っておられたかもしれません。 その点、今年はよくわかる内容の歌があったりして、少し趣が違うと感じたのではな…

終息?収束?

伝聞になってしまうのですが、ある宗門大学の先生(立派な僧侶でもいらっしゃいます)が、真言宗の僧侶ならば「コロナ終息」ではなく「コロナ収束」と表記すべきであると仰っていたそうです。 「終息」とは「完全に制圧すること」を指すのに対して、「収束」は…

布施は100×1よりも1×100

先日、ある業者さんの依頼で導師を勤めた葬儀を終え、帰ろうとすると、参列者のお一人から声をかけられました。なんと、以前に葬儀をしたときの喪主さんでした。本当に偶然です。というのもその以前の葬儀と言うのも、とあるお寺の下請けの下請けみたいな形…

必要な時間はそれぞれ

遠い昔の記憶ですが、大学で刑法を習ったときに、いつから「人」となり、いつ「人」でなくなるのか、という話がありました。 始期についていえば、「堕胎罪」の客体となるのか、「傷害罪」や「殺人罪」の客体となるのかの問題になりますし、終期についていえ…

不慳貪

今日も十善戒の話の続きです。 今日からは「心」の戒律です。 「不慳貪」とは、ごく簡単に言えば、物惜しみをしないこと、欲張らないことです。 以前に、塾で教えていたときのことです。 同僚の社会の先生が授業を終えて職員室に戻ってきて、こんなことがあ…

聖地は自分で創るもの

かつては「聖地巡礼」といえば、四国のお遍路さんや西国巡礼、海外ならばフランスからスペインにかけてのキリスト教の巡礼であるサンティアゴ・デ・コンポステーラなどをイメージする方がほとんどだったと思います。 しかし、現在では、ネットで検索しても分…

不両舌

今日も十善戒の続きです。 言葉に関する戒の最後に出てくるのは「不両舌」です。 よく、文字通りに「二枚舌を使わないこと」と説明されていることもあります。 しかし、実際はそう単純ではありません。 ある人にはAと言い、別の人にはBと言うことにより、仲…