2021-01-01から1年間の記事一覧

大師はいまだおわしますなる

もちろん、今日の主役は弘法大師です。 では、弘法大師が生まれたのはいつですか 詳しい方なら、宝亀5(774)年6月15日とスラスラと出てくるかもしれません。 お生まれになったのは香川県の屛風ヶ浦、いまの善通寺のあたりです。高野山などでは「青葉まつり…

オレオレ詐欺 オレオレ僧侶

少し前のニュースですが、いわゆる「オレオレ詐欺」の「受け子」の見分け方として特徴がいくつが上がっていました。 たとえば、身体にあわないスーツを着ている、スーツなのに運動靴を履いている、社会人らしくない髪型をしているなどです。 これを受けて、…

不悪口

今日も十善戒のお話です。 口にまつわる戒律の続きになります。不妄語、不綺語の次は不悪口です。 今までのものよりも、意味を推し量ることが容易な気がするかもしれません。 しかし、一般的に用いる「悪口」を言ってはならないということではないのです。 …

炉前読経とか 火葬式とか

炉前読経というものをご存じでしょうか。 文字通り、火葬場の炉の前で、僧侶が簡単なお経をあげてお送りするものです。 業者さんの中には「火葬式」という表現を使っているところもありますが、「火+葬式」ではなく、「火葬+式」と思ったほうがよいでしょ…

見えない力

先日、ある本で、上座部仏教(主に東南アジアで盛んな仏教)の長老さんがこのようなことを書いておられました。 「神仏に加護を願う文化は世界中に有りますが、御守をぶら下げる文化は日本独特のものでしょう。(中略)以前に、あるお坊さんから、お守りとして頂…

坊さん いろいろ

少し前の話ですが、ある大きなお寺が葬儀をする資格のない見習い僧侶を出仕させたとして問題となりました。 檀家さんの葬儀で、作法がいつもと違うことに気づいた方が、問い詰めたところ本人が認めたそうです。 よく気付いたものだと思いました。というのも…

不綺語

今回も十善戒のお話です。 前回の不妄語に続いて、言葉に関する戒です。 「不綺語」 「綺」とは「綺麗」の「綺」ですから、悪い意味が無いように感じるかもしれませんが、そうではありません。 意味としては、中身のない、無意味な言葉ということになります…

名は体を表す

知り合いの僧侶の方が、初めて戒名をつけることになりました。 戒名をつける際には、ご喪家から、お人柄やご趣味などをうかがい、それらを象徴、反映する文字を仏典や祖師の言葉などから選び、作成します。 戒名作成には、色々と技術的な決まりがあるのです…

偽薬ではなく本物の薬を調合するために 代受苦の覚悟

先日、いつもお寺を手伝ってくださっている僧侶の方がボソッとこんなことを仰いました。 「行者というものは『代受苦』者のように、自分に厳しい方ばかりだと思っていたのですが、そうではないんですね。」 ドキッとしました。 自分は咄嗟に 「中身が伴わな…

宗旨替えの前に

うちは檀家寺ですが、決して檀家の数が多いとはいえません。したがって、依頼があれば、少々遠隔地でも法務を引き受けることがあります。 最近も、「高野山真言宗」をご希望というご葬家さんということで、すこし離れたところで葬儀をさせていただきました。…

慈悲の鎧

昨年はコロナ一色といった感じで終わりました。今年もしばらくは我慢の日々が続きそうです。 昨年から、香川の善通寺さんで開かれている「疫病の祈り伝授会」を受けに行ってます。文字通り、昨今の状況を鑑みて、身体健全や疫病退散に特化した様々な修法を学…

不妄語

十善戒の続きです。 前回までは、不殺生、不偸盗、不邪淫という身すなわち行動面での戒律でした。 今回からは言葉に関する戒律が四つ続きます。 まず最初にお話しするのが、不妄語戒です。 不妄語戒とは簡単に言うと、噓をつくなということです。 中には、「…

負の言葉を避ける

よく知られた実験です。 ある人に、高温に熱した焼け火箸(アイロンとかでもいいです)を見せます。 その後、目隠しをします。 そして、火箸を当てるぞと脅かしながら、ただのボールペンを腕にあてます。 すると、やけどの症状がでるというものです。 どうやら…