より高い頂のために ~ どんな知識も無駄にはならない

 今日は、西山寺にお参りしてくださりありがとうございます。

 

 正直、お寺の屋根の素材がなんだとか、形が方形造だとか・・・興味のない人も多いですよね。

 いえ、それで普通ですよ。

 そんなことに、目を輝かせている小学生の方が心配ですから。

 

 ただ、こんなことを心にとめておいてください。

 

 皆さんも、小学生とはいえ高学年ですから、将来になりたいものだとか、目標だとかビジョンといったものがあるのではないでしょうか。

 その仕事に就くことができればそれで満足、というのではなく、できれば、その分野で一流になりたいと思っているかもしれませんね。

 

 それって、砂場で高い山を作ろうとするのと似ていると思います。

 既に、立体も習っているそうなので分るでしょうが、なるべく砂を使わずに、高い山を作ろうとすれば、直径の小さい円柱を作るのが効率がよさそうですね。

 

 でも、それではうまくいかないことを皆さんは体験として分かっているはずです。

 崩れますよね。水をかけて、急速に凍らせるとか、科学的な処理をするのは別ですが。

 

 結局、高い山を作ろうと思えば、それなりに大きな土台、すそ野を作ってあげないと駄目なんですよね。

 

 将来、希望の仕事や分野に進んだとしても、その分野の知識だけでやっていけるわけではありません。

 一見、その分野に関係ないような他の分野での経験や知識の支えがあってこそ、自分の専門分野で高みにたどり着けるのです。

 

 ましてや、みなさんには、今、思い描いているのとは別の未来が待っているかもしれません。

 むしろ、小学生の頃の夢がそのままかなう人の方が少ないでしょうし、もっと新しくて素晴らしい目標ができることも多いはずです。

 だからこそ、いまはどんなことにも興味をもって、なるべく大きな土台を作っておいてください。

 大人になると、あれもこれもと興味を広げて、土台を広げても、この牧之原のような台地くらいにしかならないかもしれませんが、皆さんには時間や選択肢がまだまだたくさんあるんです。

 

 今日は、このあとも色々なところを見学して、色々なことを学ぶはずです。

 今日の体験が、将来、皆さんが築き上げる大きな山の支えになることを願っています。

 

※ 地元小学生の、郷土を学ぶ体験でのあいさつに加筆修正したものです。