住職の日記

慈悲の鎧

昨年はコロナ一色といった感じで終わりました。今年もしばらくは我慢の日々が続きそうです。 昨年から、香川の善通寺さんで開かれている「疫病の祈り伝授会」を受けに行ってます。文字通り、昨今の状況を鑑みて、身体健全や疫病退散に特化した様々な修法を学…

不妄語

十善戒の続きです。 前回までは、不殺生、不偸盗、不邪淫という身すなわち行動面での戒律でした。 今回からは言葉に関する戒律が四つ続きます。 まず最初にお話しするのが、不妄語戒です。 不妄語戒とは簡単に言うと、噓をつくなということです。 中には、「…

負の言葉を避ける

よく知られた実験です。 ある人に、高温に熱した焼け火箸(アイロンとかでもいいです)を見せます。 その後、目隠しをします。 そして、火箸を当てるぞと脅かしながら、ただのボールペンを腕にあてます。 すると、やけどの症状がでるというものです。 どうやら…

不邪淫

十善戒の話の続きです。 今日は不邪淫についてです。 別に、例の記者会見を受けて、タイムリーな話をしようというわけではありません。前回までにお話しした不殺生、不偸盗とあわせて「身」すなわち身体、行動に関する戒律です。 とりあえず意味は、正しい愛…

そこに仏様はいますか?

先日、回忌法要で伺った家の方から質問されました。 内容は、家の仏壇の上には部屋があるため、歩き回ったりして、失礼があってはいけないと思い、仏壇の上に手書きの「空」の文字を書いた紙を貼ったのだが、それでいいのでしょうか、ということでした。 こ…

パスカルの賭け 仏の世界は有るか?

「あの世」ってあると思いますか? 冒頭から、変なことを言って驚かれたかも知れません。 「あの世」があると思っているから、葬儀もするし法事もしているんだと言い切る方もいらっしゃるでしょう。 しかし正直、存在に確信を持てないけれども、慣習としてや…

お礼参り 願ほどき

昨年末のことです。 拙寺にマイクロバスが止まり、中からぞろぞろと人がおりてくるのが見えました。 うちは観光寺院ではありません。行事のときは檀信徒の方が来てくださいますが、普段は閑散とした寺です。 怪訝に思い、よく見てみると常々、星祭や薬師護摩…

不偸盗

今日の十善戒の話は「不偸盗」についてです。 他人の物を盗むなかれ、という意味です。 前回の不殺生よりも簡単そうですね。 たしかに、この中に刑事罰の対象となる窃盗犯はいらっしゃらないでしょう。 でも、残念ですが、仏法は人間の作った法よりも甘くあ…

不殺生

本日も、薬師護摩にご参加くださりありがとうございます。 今年は、高野山で戒律講習会を受けに行ってます。 そこで聞いた話をしたいと思います。 よく「仏法僧」といいます。聖徳太子が「篤く三宝を敬え」といった「三宝」のことです。 ここでいう、「僧」…

雨男? 晴れ女?

折角の旅行なのに雨。仲間同士でのベタな会話 「お前、本当に雨男だよな。」 逆に晴れたら 「私、晴れ女だから。」 会話の潤滑油くらいに軽く聞き流せばよいのでしょうが、少しイラっとします。 普通の人間が、一人で天気を左右できるなどおこがましいにもほ…

IQの差よりも価値観の差

俗に、IQが20違うと会話が成り立たないなんていう話を聞きます(実際には違うそうですが)。 それよりも、価値観が大きく異なる方が会話が成り立たないように思います。 僧侶の世界の価値観というのも、一般世界の価値観とは少し違っているのかもしれません…

初心忘るべからず

先日、知り合いの方から、無事に加行を終えたとの連絡をいただきました。 真言宗の一番基本となる修行は『四度加行(しどけぎょう)』というものです。 高野山真言宗では中院流によります。かつては高野山内にも色々な流派が伝えられていたようですが、今は阿…

本末転倒

お坊さんの一日ってどんなものなのか、あまりイメージがわかないかもしれません。 もちろん、僧侶にも色々な形態(住職なのかどこかの寺で働く役僧なのかフリーなのか等)がありますので一概にこんなものと申し上げることは出来ません。 ただ、共通項というか…

ご朱印と納経

シルバーウィーク中、拙寺のようなマイナー寺院にもご朱印をお求めになる方々がいらっしゃいました。 大概、「○○女子(ガール)」なる表現が用いられたり、懐かしい芸能人がそのジャンルに参入して活躍しはじめると、そのブームは下火となるのが定番。そういう…

本当に寄り添うために

今では、皆さんあきらめてくれたのか、結婚を勧める方もいなくなりました。 かつて、ある先輩には 「結婚して、子供を持つことや。特に住職になるつもりやったら。子供もいない住職には子供の悩みを打ち明ける人はおらんし、結婚もしていない住職に、家庭の…

葬儀こそ仏縁

かつて、学習塾で中学受験の算数を担当していました。 その塾では、「特進手当」というものがあり、特進クラスを担当する講師には別途、手当がついていました。たしか1コマ(90分)で1000円くらいだったかと思います。実際、多くの学校の入試問題を分析…

縁日

拙寺では、毎月8日午前10時より薬師護摩を修しております。 はじめは誰もおいでにならないで僧侶だけで修法することもありました。今では多くの方がご参加くださり、真言や般若心経をご一緒していただけることありがたく思っております。 ところで、何故毎…

食時作法

コロナ禍の影響で、学校給食での会話は禁止、外食の席でも会話は小声で必要最小限なんていうことがスタンダードになりつつあるようです。 今は、そうでもなくなったのですが、自分が修行が終わったばかりのとき、僧侶同士で食事をすると会話が弾まないなんて…

善財童子の冒険

自分は東寺の御膝元にある洛南高校の卒業生です。今でもそうなのかは知りませんが、自分の在校時には各クラスごとに仏様の写真が祀られていました。 ほかのクラスでは見覚えのある仏様だったのですが、自分のクラスでは、一見するとただの子供の写真でした。…

迷信と俗信

ある僧侶の方が、こんな相談を受けたそうです。 「ある方から言われたんです。この数珠には作った人の魂が入ってしまっているので、『魂抜き』してもらう必要があるそうなんです。どうしたらいいですか。」 さすがに答えに窮してしまったそうです。 むしろ、…

ありがたい僧侶

七月盆、八月盆が終わり、少しゆっくりさせてもらっています。 このタイミングで、自分同様にくたびれてしまっている法衣や袈裟のメンテナンスをしています。洗濯はもちろんですが、破れたところや、ほつれたところを縫い合わせたり、補修テープをあてたりと…

占い ②

最近、ある方から「こんなのをもらったんですけど。」と、メールを見せてもらいました。 そこには、このようなことが書かれていました。 「昨年、高名な風水師がおっしゃっていました。来年(令和二年)は地の龍が暴れるので、水害が多発する。また疫病も流行…

占い ①

先輩の僧侶がこんなことを仰っていました。 「在家出身で、密教僧になろうというのは、『拝み屋』か『人生一発逆転を狙っている奴』がほとんどや。」 言葉は乱暴ですが、実際そういう方が少なくないのは事実のようです。 『拝み屋』さんではないですが、占い…

如実知自心

最近、ヤフーニュースでは、難読漢字の問題と心理分析の問題ばかり目にしているような気がします。 前回、私たちの心には仏もいれば、鬼もいるというお話をいたしました。 仏も色々な方がおられるでしょうし、鬼も色々な種類が住んでいることでしょう。 さな…

WITH 鬼

終わりの見えないコロナ禍に鬱々とした気分の方も多いことでしょう。 いくら「with コロナ」などといわれて、コロナウィルスとうまく付き合っていけ、と言われても、確立した治療法やワクチンもない現状では、お付き合いしたくはないものです。 この体 鬼と…

お盆 2020

7月5日の施餓鬼法要、新仏さんのいらっしゃる家の初盆法要、13日と14日の棚経と続く七月盆の行事が無事に終わりました。 昨今のコロナ禍の影響の為、全ての場面でマスクを着用するなど、「厳戒態勢」で執り行いました。期間中に、高野山にて開催される戒…

一見さんよりも常連さん

先日、薬師護摩と胡瓜加持を修法いたしました。 おいでになれなかった、ある遠方の僧侶の方から、その修法の中で、併せて「八大竜王さんに止雨祈願をしてください」とのリクエストがありました。 自分は八大竜王の請雨法も止雨法も伝授を受けていません。ま…

施餓鬼のほとけさま 五如来

施餓鬼の飾りつけとして五色の施餓鬼幡があります。 檀信徒の方にも仏壇の飾りつけ用の小さめの五色の施餓鬼幡をお渡ししております。 そこには、見慣れない仏様のお名前が書かれています。 黄色・・・過去宝勝如来(かこほうしょうにょらい) 青色・・・妙色…

施餓鬼

拙寺の周辺は七月盆です。 そして、お盆の行事として「施餓鬼」法要があります。拙寺でも今年は7月5日(日)に施餓鬼法要を執り行います。 しかし、お盆と施餓鬼は必ずしも一体のものではないのです。 たとえば、真言宗の僧侶は日々の作法として施餓鬼を行い…

見るのではなく 観る

ある阿闍梨さんから聞いたお話です。 加行(修行)中に、指導僧から怒鳴られたそうです。 「あなた! 仏様が見えないの⁈ ほら、そこの五鈷鈴のところにいらっしゃるじゃないの!」と。 自分も、一般の方から「お坊さんって、色々なものが見えるんですか?」と尋…